鍾馗

しょうき Shōki

1 概要

唐・終南山（しゅうなんざん）の麓から、一人の旅人（ワキ）が都へ向かう。道中、里人（前シテ）が旅人を呼び止める。旅人は、自分が悪鬼を滅ぼして国を守ることを誓っていることを語る。旅人は、皇帝が良い政をすれば宮中で奇瑞を見せることを語り、そのことを皇帝に奏上してほしいと旅人に頼む。旅人はそれを承諾する。里人は、自分が、かつて科挙（かきょ）（中国の官吏の登用試験）に落第して命を絶った鍾馗だと正体を明かして、姿を消す。終南山の麓に住む者（アイ）が、鍾馗について語る。旅人が読経していると、宝剣を持った鍾馗（後シテ）が現れる。鍾馗は、国土を守護する誓いをしていることを語ると、宝剣で世を乱す鬼神を退け、平和の世が到来することを言祝ぐのだった。

2 上演記録

上演年月日	西暦	記録名	曲名表記
享徳1年2月10日	1452年	春日拝殿方諸日記	鐘馗大臣
大永1年10月11日	1521年	実隆公記	鐘馗
天文23年2月22日	1554年	天文日記	鐘馗

3 現在の上演流派

観世・宝生・金春・金剛