竹雪

たけのゆき Take no Yuki

1 概要

越後国（新潟県）の直井左衛門何某（ワキ）は、前妻との間に姉弟を儲けていた。前妻と姉は別居して長松で暮らし、跡継ぎである弟の月若は手元におき、後妻を迎えることになった。宿願成就のため参籠する直井は、幼い月若（子方）の面倒を後妻（アイ）に言いつけて、家を留守にする。後妻は、月若が継母のことを告げ口したがために、夫からあのような言いつけをされたのだと立腹し、月若に当たり散らす。月若は、実母と姉が暮らす長松へ向かう。突然の月若の来訪を喜びつつも、実母（前シテ）は継母から辛い扱いを受けていることを感じる。　一方、後妻は月若の姿が見えないことに気付き、連れ戻すため従者（アイ）を長松へやる。月若が戻ると、後妻は肌着一枚で竹に積もる雪を払うように命じ、月若は凍えて死んでしまう。　従者から月若が死んだと知らせを受けて、実母と姉（ツレ）は嘆き悲しみつつ雪の中から遺骸を探し出す。　諸願成就した直井左衛門何某は帰宅し、月若の死を突き付けられる。前妻と娘に責められて、面目なさを嘆く。両親と姉の嘆きが通じて、月若を甦らせようとのお告げが響くと、月若は息を吹き返すのだった。

2 現在の上演流派

宝生・喜多