高野物狂

こうやものぐるい Kōya Monogurui

1 概要

常陸国（茨城県）の住人、高師四郎（たかしのしろう）（前シテ）は主君平松殿の遺児である春満（しゅんみつ）（子方）を大事に守り育ててきた。主君の命日に四郎が菩提寺へ参詣していると、従者（アイ）から春満が置き手紙を残し、行方をくらませたことを告げられる。手紙を読み、春満の出家の思いを知った四郎は、春満を追いあてのない旅に出る。高野山（こうやさん）（和歌山県）で、僧たち（ワキ・ワキツレ）が春満を保護しているところへ、物狂いとなった四郎（後シテ）が現われる。僧たちに咎められながらも四郎は高野山の地をたたえ、舞を舞う。その様子を見ていた春満が四郎に声をかけ、主従は再会を果たし、ともに故郷へ帰って行った。

2 現在の上演流派

観世・宝生・金剛・喜多