咸陽宮

かんようきゅう Kannyōkyū

1 概要

燕〔えん〕の荊軻〔けいか〕（ワキ）と秦舞陽〔しんぶよう〕（ツレ）は、秦始皇帝（シテ）を暗殺するべく、樊於期〔はんおき〕の首と燕の地図を持って参内する。献上すると見せかけて、始皇帝に近づき刃を向ける。追い詰められた始皇帝は、寵姫の花陽夫人（ツレ）の琴を最後に聞きたいと願い、荊軻はそれを聞き入れる。荊軻と秦舞陽が、夫人の琴の音に聞き惚れて、まどろむ隙を突き、始皇帝は二人を返り討ちにする。

2 上演記録

上演年月日	西暦	記録名	曲名表記
永享1年5月3日	1429年	建内記	秦始皇
文明9年2月13日	1477年	親元日記	かんやう宮
天文7年3月26日	1538年	蜷川親俊日記	咸陽宮
天文8年11月15日	1539年	（後鑑）親俊日記	咸陽宮
天正16年5月23日	1588年	能之留帳	咸陽宮
慶長7年1月2日	1602年	能之留帳	咸陽宮

3 異名（古名）

秦始皇[しんのしこう]

4 現在の上演流派

観世・宝生・金剛・喜多