俊成忠度

しゅんぜいただのり Shunzei Tadanori

1 概要

一ノ谷の合戦で平忠度を殺した岡部（おかべ）六弥太（ろくやた）（ワキ）は、忠度の遺品である短冊を、忠度の和歌の師・藤原俊成（ツレ）のもとに届ける。短冊には、忠度が詠んだ和歌が記されてあった。俊成邸に到着した六弥太は、俊成の従者（トモ）に取り次ぎを頼む。六弥太は俊成と対面し、六弥太に短冊を渡す。二人は忠度の死を悼む。二人の前に、忠度の亡霊（シテ）が現れる。亡霊は、短冊に記した和歌が、『千載和歌集』に「読み人知らず」の和歌として掲載されたことを嘆く。忠度は朝敵（朝廷の敵）のため、名前を載せることが出来なかったのだ。忠度の亡霊は和歌について語るうち、だんだん様子が変わってきて、修羅道（六道の一つ）の責め苦に襲われる。夜が明けると、忠度の亡霊は山の木陰へと姿を消す。

2 上演記録

上演年月日	西暦	記録名	曲名表記
永禄7年6月14日	1564年	言継卿記	俊成忠度

3 現在の上演流派

観世・宝生・金剛・喜多