錦戸

にしきど Nishikido

1 概要

源義経は、異母兄・源頼朝に追われている。義経は、奥州（東北地方）平泉の武将・藤原秀衡（ふじわらのひでひら）に匿われていた。秀衡が亡くなると、秀衡の息子・錦戸太郎（ワキ）は、弟・泰衡（やすひら）（後ツレ）とともに、源義経を討つ計画をたてる。太郎は、弟・泉三郎（シテ）にも義経を裏切るよう要求するが、三郎は父の遺言と義経への忠義を守るため、要求に応じない。泉は、兄たちの心変わりを自分の妻（前ツレ）に伝え、平泉から逃げるよう勧める。妻は自分だけ逃げることは出来ないと言い、その場で自害する。軍勢を引き連れた錦戸太郎（ワキ）が攻めてくると、泉はたった一人で闘う。力が尽きた泉は、持仏堂（信仰する仏像や祖先の位牌を祀る堂）で自害する。

2 現在の上演流派

観世・宝生