蝉丸

せみまる Semimaru

1 概要

延喜帝の第四皇子・蝉丸（ツレ）は生まれながらの盲目である。延喜帝は藤原清貫（ふじわらのきよつら）（ワキ）に命じ、逢坂山（おうさかやま）（滋賀県）に蝉丸を捨てるよう命じる。清貫と輿舁（こしかき）たち（ワキツレ）は、蝉丸を山に捨て置く。蝉丸は、わが身の境遇について、琵琶を抱きながら嘆く。それを見た博雅三位（はくがのさんみ）（アイ）は彼に藁屋を用意する。蝉丸は藁屋で琵琶を演奏する。一方、蝉丸の姉・逆髪（さかがみ）（シテ）は、髪が逆立つ姿をもち、物狂（ものぐるい）となっていた。逆髪が逢坂山を訪れる。蝉丸の琵琶の音を耳にした逆髪は、蝉丸と再会する。姉弟は互いに自分の不幸を嘆く。逆髪が別れを告げると、蝉丸は声を頼りに姉を見送る。

2 上演記録

上演年月日	西暦	記録名	曲名表記
文明10年4月23日	1478年	親元日記	蝉丸

3 異名（古名）

逆髪[さかがみ]

4 現在の上演流派

五流