代主

しろぬし Shironushi

1 概要

都の上賀茂神社・下鴨神社の神主（ワキ）が、従者たち（ワキツレ）を連れて、大和国（奈良県）葛城山（かつらぎさん）の賀茂神社に参詣する。そこで庭を掃除する老人（前シテ）と男（前ツレ）に出会う。神主は、老人に葛城の名所を教えてほしいと頼む。老人は、ここは賀茂明神の本社（神域内の中心となる神社）で賀茂明神が初めて現れた場所であることなどを語る。老人は、都の賀茂と大和の葛城が祀る神は一体分身（一体の神仏が人間を救済するため様々な姿に変えて現れること）だと語る。老人は、葛城の神・事代主（ことしろぬし）の姿を現そうと言って、姿を消す。葛城の里人（アイ）が葛城の神について語る。夜、神主たちの前に事代主神（後シテ）が現れて舞を舞う。そして、事代主神は、天下泰平の世を言祝ぐ。

2 上演記録

上演年月日	西暦	記録名	曲名表記
文明10年4月22日	1478年	（後鑑）親元日記	葛城鴨

3 異名（古名）

葛城鴨[かずらきかも]

4 現在の上演流派

観世