水無瀬

みなせ Minase

1 概要

摂津国水無瀬（大阪府）の為世（ためよ）（ワキ）は、家族を捨て出家し、高野山の僧となっている。故郷が懐かしくなった為世は水無瀬へと向かう。水無瀬に着いた為世は、亡き母に花と水を手向ける姉（子方）と弟（子方）に出会う。為世は二人の姉弟が自分の子供であると気付くが、素知らぬふりをする。僧が父の為世であることに気がつかない姉弟は、為世に母を弔う読経をするよう願う。子供たちの願いを受け為世は読経をする。そこへ為世の妻の霊（シテ）が現われる。妻の霊は為世の無常を恨みながらも、二人の子に為世を引き合わせる。妻の霊は為世の読経によって成仏できたことを述べると、消えていった。

2 異名（古名）

為世[ためよ]

3 現在の上演流派

喜多