龍田・立田

たつた Tatsuta

1 概要

旅僧（ワキ）は、従僧（ワキツレ）を連れて、奈良から河内へ出る途中、竜田川に着く。そこに神巫（かんなぎ）（前シテ）が現れ、風流を理解せずに竜田川を渡ろうとした旅僧をたしなめる。今は紅葉の盛り。神巫と旅僧は、竜田川と紅葉を取り合わせた和歌のやり取りをする。神巫は、旅僧を竜田神社へ案内し、竜田神社は紅葉が神木であると言う。そして、神巫は、自分こそが竜田姫だと正体を明かすと、社殿のなかへ姿を消す。里人（アイ）は旅僧に竜田明神について語る。夜、旅僧の前に、竜田姫の神霊（後シテ）が姿を現す。竜田姫の神霊は、天の御矛を守護する滝祭の神について語り、竜田山の紅葉の美しさを讃えて、神楽を舞う。

2 現在の上演流派

五流