千手（重衡）：乙

せんじゅ（しげひら） Senju (Shigehira) B （千寿）

1 概要

平重衡（たいらのしげひら）（ツレ）は、一ノ谷の合戦に敗北して、源氏の軍勢に捕らわれている。今は、狩野介宗茂（かのうのすけむねもち）（ワキ）に身柄を預けられ、駿河国（するがのくに）（静岡県）にいる。春雨が降る夜、遊女・千手前（シテ）が重衡のもとを訪れる。出家の望みを叶えられないことに悲嘆する重衡を、千手が慰める。狩野介宗茂は、重衡を思いやって、酒宴を催す。千手前は詩を吟じ、重衡のために語り舞う。重衡が琵琶を弾くと、千手も琴を奏する。夜が明け、重衡は都へと送られることになる。千手は出立する重衡の後ろ姿をいつまでも見送る。

2 異名（古名）

重衡：乙[しげひら]

3 現在の上演流派

五流