七騎落

しちぎおち Shichigiochi

1 概要

源頼朝（ツレ）は、石橋山の合戦に敗れる。頼朝は、土肥（どい）実平（シテ）・新開次郎（ツレ）・土屋三郎（ツレ）・田代信綱（ツレ）・土佐坊（ツレ）・岡崎義実（ツレ）・土肥遠平（とおひら）（ツレ）の家臣を連れ、船に乗って上総（かづさ）へ逃げることにする。頼朝は、土肥実平に、頼朝の祖父・為義（ためよし）が九州へ敗走したとき、頼朝の父・義朝（よしとも）が近江へ敗走したときの両方とも八騎だったので、八騎は不吉な人数なのだと言う。そして、実平に船から一人を降ろすように命じる。実平は、船の端にいた岡崎義実を下ろそうとする。しかし、岡崎は、自分は合戦で息子・義忠を失い、頼朝に忠義を尽くしたのだから、親子ともに生き残った土肥親子のどちらかが船から降りれば良いと反論する。実平は、遠平を船から降りるよう命じる。遠平が船から降りると、遠くの方から敵が大勢やってくるのが見える。実平は、息子を心配しながらも、船を出港させる。船が沖に出ると、頼朝に味方するためにやって来たという和田義盛（よしもり）（ワキ）が乗った船が近づいてくる。実平は、それが本心かどうか確かめるために、「昨日、頼朝とはぐれてしまった」と嘘を言う。すると、義盛は自害しようとする。彼の態度に感銘を受けた実平は真実を明かし、陸に上がって対面する。和田義盛は、浜辺で助けた遠平を船から出して、親子を再会させる。全員は喜びの酒盛りをし、実平は舞を舞う。

2 上演記録

上演年月日	西暦	記録名	曲名表記
文明15年3月12日	1483年	（後鑑）親元日記	七騎落
長享2年2月23日	1488年	親長卿記	七騎落
天文6年1月2日	1537年	天文日記	七騎落
天文14年3月21日	1545年	言継卿記	七騎落
天文15年2月12日	1546年	言継卿記	七騎落
天文17年1月2日	1548年	天文日記	七騎落

3 現在の上演流派

五流