祇王

ぎおう Giō （二人祇王[ににんぎおう]）

1 概要

浄海（平清盛）のもとへ、加賀国から推参した白拍子・仏。しかし、白拍子・祇王を寵愛している浄海は、仏と対面しない。同じ白拍子の身である仏に同情した祇王は、浄海に仏との対面を願い出て、自分の出仕をとどめていた。仏に対面するとの浄海の仰せを受けて、瀬尾太郎（ワキ）は祇王（ツレ）と仏（シテ）を呼出す。仏は推参の無礼を祇王に詫びつつ、身の上を語る。浄海に舞を所望され、仏と祇王は装束を整えに行く。瀬尾の従者（アイ）はことの経緯を独りごち、二人を呼び出す。祇王と仏はともに舞う（相舞）。舞姿を見て祇王から仏へ心変わりした浄海は、仏にひとり舞うよう命じる。祇王に心苦しく思い仏は、祇王に対して誠意を尽くすことを誓うのだった。

2 異名（古名）

仏祇王[ほとけぎおう]

3 現在の上演流派

宝生・金剛・喜多 ＊喜多流では《二人祇王》