現在七面

げんざいななおもて（げんざいしちめん） Genzai Nanaomote　四百番本「現在七面」

1 概要

日蓮上人（ワキ）が身延山（みのぶさん）（山梨県）で僧たち（ワキツレ）を従えて法華経読誦の修行をしていると、毎日のように花水を捧げて参詣する女がいる。上人が今日も現れた女（前シテ）に素性を問う。女が法華経の女人成仏の教えを尋ねると、上人は八歳の龍女が文殊菩薩の教えによって成仏をした法華経の話を説法する。女は、自分は七面の池に住む大蛇であると明かし、教えを受けた恩を示すために、正体を現そうと言って消え失せる。上人に仕える寺男（アイ）が法華経のありがたさを語って立ち去る。やがて龍女（後シテ）が出現する。龍女は上人の読む法華経によって蛇身から天女の姿に変じ、神楽を舞う。そして身延山の守護神となって人々を救うことを誓い、空へと昇っていく。

2 現在の上演流派

観世・金剛